お題《深い海の底で手を伸ばした》より。迷宮の和馬の独白。切暗。



―たとえ、この先どんな事があっても…―







迷宮に迷い込んで、君を探しつづけどれだけ過ぎただろうか。
未だに俺は君を見つけ出せない。
それはきっと、君が俺を赦していないから…。

突然始まって突然終わった恋愛。

あの日、あんなに悲惨な目に遭いながらも、君は決して俺にも誰にも縋らず、責める事もしなかった。
やってもいない罪を抱え、君は自分の命を自分の手で散らした。
俺は何も知らないまま、見知らぬ土地で命を散らした。
君が一番悲しい時に苦しい時に、俺は何も出来なかった。側に居てあげることすらも…………。

だから、この深い暗闇の迷宮という名の海から必ず君を見つけだして、

そして今度こそ、
離れることなく…………



僅かな希望を込めて、

深い海の底で手を伸ばした



どうか…
どうかこの想いと一緒に、
この手を掴んでほしい……





【お題提供】秋桜
《深い海の底で手を伸ばした》より。

今回はGhost~から和馬の独白的な話を書いてみました。
彼の「君」は楓の事です。
まだ本編は続いていますが、これからどういうエンディングにしようか思案中です。
では、お目汚し失礼しました。
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