Episode2~情報屋~



「マルロニ・・・・・」

「ん?・・・キリーじゃないか。久しぶり・・・・ておい!!」


マルロニが咄嗟に受身の体制を取るのとほぼ同時に、キリーの拳がカウンターを直撃し、メキメキと音をたてめり込む。


「ったく、相変わらず容赦ねえな。あーあ、カウンター歪んでるじゃねえか。出入り禁止になったらどうしてくれんだよ・・・・・」

「・・・・・ちっ、外したか・・・・」

「悔しがってんじゃねええ!!」


ここは、マルロニとキリーの行きつけのバー。

主に仕事目的で使用するのだが、マルロ二は情報収集とかこつけ入り浸っている。




「どうした・・・・なんて聞かねえから、睨むなよ・・・」

「あなた、最近ガセばかりね。どういうつもり?」

「ガセじゃあねえよ。その筋の奴らからの情報だからな」

「その筋ってどの筋よ・・・・さあ、関節砕かれるのと三枚におろされるのとどっちがいいかしら?・・・・選ばせてあげる」

「ちょ、ちょっと待てって!!なんだよその救いのねえ二択は!!!こんなとこで抜刀すんじゃねえよ!!」


・・・・・実はマルロ二は、覚醒したキリーに一度殺されかけたことがある。

今では良好(?)な関係を築いているものの、昔は敵対していた。故に覚醒し、抜刀したキリーの恐ろしさは文字通り身に染みているのだ。


「でも、何も知らないって言ってたわ。とにかく情報料返して」

「無理」

「返しなさい」

「・・・・・・酒に変身しました・・・・」

「マルロニ・・・・短い命だったわね・・・・ふっ」

「うおっ!!あ・・・危なねえな!」

「ちょこまかと・・・・・さあ、行くわよ・・・・」

「く、来るなああああああああああ」


キリーがマルロニに再度、攻撃を仕掛けようと構えた………その時、


「ふふ……キリー、荒れてるわねえ。お店壊さないでね」

「アンジェラ・・・・」


アンジェラ・・・・・このバーでバーテンダーをしている女性で、キリーを恐れない唯一の人物。

そしてマルロ二の妻だったりする。キリーの事を我が子のように、または妹のように思っている。

キリーがアンジェラには手出しはしない事を知っているマルロニは、素早くアンジェラの後ろに隠れる。


「アン~~!!助かったぜ」

「もう・・・・・マルロニ、情報料ちゃんと返しなさいね。キリーに殺されたくないでしょ?」

「う・・・・アンまで~~」

「泣いてもダメです」

「くう・・・・・あ~~~わかったよ!!」

「だそうよ。許してあげてね。キリー」

「・・・・・・・・分かったわ。期待してないけど・・・ね」

「お、お前な!!」

「じゃ、今日は私が奢るから、飲みたいもの言ってね」

「・・・・・ギムレット・・・・」

「ふふ、了解!マルロニは?」

「アイスバーグ」

「それじゃ、ちょっと待ってて」


アンジェラはそういうと、グラスとシェイカーを棚から取り出した。



アンジェラは手早くシェイクし、カウンターに座る二人の前にグラスを置く。

取り敢えず、マルロニとキリーはグラスを合わせ一口飲む。

お互い一息ついたところで、アンジェラがキリーに問いかけた。


「キリー、手がかりは何も掴めなかったの?」

「・・・・実はそうでもないの・・・・・あいつら、これを持ってたのよ」


キリーはコートのポケットからカードキーを取り出し、カウンターに置く。


「カードキー・・・・・アジトのか金庫か何かの鍵か・・・・・」

「なんとも言えないわ。ただ、これが唯一の手がかりということは間違いない」

「・・・・・・無茶しないでね。心配よ私・・・・」

「大丈夫よ、私は。さて・・・・・」


キリーはグラスに残ったカクテルを飲み干す。


「・・・・・・・・行くわ」

「そっか・・・気ぃつけてな」

「いってらっしゃい」


キリーは後ろ向きのまま手を振ると、夜の闇へと溶けるように消えた。


続く・・・・・・・・



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