なんだか懐かしいのに
不安が募る……





水の街を後にしたかぐや達は、闇爾の案内である街に到着した。

「ここは……」
「かぐや、知ってるの?」
「え?………あ、ううん。(気のせいだよね)」
「?」

そこは幅の広い道路があり、周りは工業地帯のようで、大きなタイヤや木材、鉄材などが積み重ねられている。人の気配はなく、ふと空を見上げれば、雲一つない快晴だ。
一見、どこにでもありそうな光景だが、かぐやは何故か不安を感じていた。

幼い頃、ここと全く同じ場所で、恐ろしい思いをした記憶がうっすらとあるのだ。
詳しい事は忘れてしまっているが、とにかく恐ろしかったのだ。

(何があったっけ………?怖いって事は覚えてるのに……)

かぐやがぼんやり考えていると、黒呼が心配そうに顔を覗き込んだ。

「かぐや?大丈夫?」
「…あ!!うん!大丈夫!!」
「……そう?先、進む?」
「うん、ここに居ても仕方ないし、いこう」
「うん……」

今、考えた所で答えは出ない。とにかく今は前に進むしかないのだ。
きっとその先に、このもやもやの正体があるはずだ。かぐやは黒呼の手をとり、闇爾の後を追い歩き始めた。



《前編》


この先に待ち受ける
不安の元凶とは……?




つづく…
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