同盟にて、カラ様に書いて戴きました。
カラ様宅のリリアさん、ギルベルトさんとのコラボで、琥珀たちよろず屋一同が、カラ様の世界にトリップした・・・というシチュエーションです!!
CAST:リリアさん・ギルベルトさん(カラさま宅)・琥珀・アメリア・ロザリア・レスカ・咲夜
リリアが不思議な拾いものをしてから早一月。
不思議な拾いもの、基、異世界から来たと言う少女たちを連れて庭園に出たリリアは穏やかな時を過ごしていた。
「どうした、琥珀?食べないのか?」
運ばれた紅茶に甘いスイーツ、周囲は春を彩る花に囲まれ、リリアは緩やかに紅茶を口に運んだ。
皿に乗せられているのは軽やかなパイ生地に甘いクリームが挟まれたスイーツ、しかし何故か琥珀の目の前に置かれた皿に乗るそれは、異常に赤かった。
「あ、いえ、その……」
人がいい琥珀は自分のために用意されたそれに文句が言えず、困り果てるだけ。
その様子を眺めていたリリアは口端を上げた。
「ギルベルト。」
「……。」
「!」
穏やかな空気を斬り裂くように、傍らに控えていたギルベルトが静かに剣を抜いた。
二つ三つ、斬り結んで無言の攻防が続く。
「マスターへの嫌がらせはやめてください。」
「嫌がらせ?私が何かしたか?」
「え?あ、リリアさんは何も…」
デッキブラシと呼ばれる掃除用具を振り回すアメリアに肩を竦めてみせ、リリアは問い掛けるように琥珀に視線を移した。この一月でアメリアが琥珀に逆らわないことは把握済みだ。
挟まれた琥珀は益々困り果てた。
「今日も賑やかやなー。」
「またか?」
「おかえり、ロザリア、レスカ。朱雀の案内は退屈だっただろう?…ギルベルト、少し離れろ。音が五月蝿い。」
「…イエス・マイロード。」
溜息を一つ、ギルベルトはデッキブラシを薙ぎ払った。
光から戻って来た二人の分、そしてそろそろ来るであろう最後の客人の分の紅茶を運ばせた。
「あれ?ウチのお菓子、何か赤い?」
「気のせいじゃないか?」
「気のせいだろ。」
皿を見つめるロザリアに対し、レスカもリリアも涼しい顔で紅茶を啜る。
「…来た。」
リリアが僅かに眉を寄せた。
「ちょっと!今度は何をやったの!」
「咲夜…。」
溜息一つ。
ギルベルトに相手をさせようにも今は手が放せそうにない。
「私が何をしたって?」
「それを聞いてるのよ!」
「何のことだか…」
「いや、ウチと琥珀のお菓子だけ赤い…」
「ロザリア、赤い紅茶もあるが?」
「……。」
リリアは笑みを浮かべ、傍らのティーポットを持ち上げてみせた。
「目が笑ってないぞ。」
「それは失礼。」
レスカの指摘に肩を竦め、ポットを下ろす。
「貴女、琥珀が辛いものが苦手だって知ってるでしょう!?」
「もちろん。辛いものが苦手なことも、類稀な御人好しであることも、」
だからこそ、とリリアは悪びれもせず言い切った。それが尚更咲夜を刺激する。
「貴女って、本当に…っ。」
「…仕方ない。」
咲夜の鋭い視線に対してリリアは溜息混じりに立ち上がった。
面倒だと言いながら、その口元は弧を描いている。
「ストップ!!」
『!』
制止の声に全員がその動きを止めた。
集った視線の先で琥珀が笑みを浮かべている。
「紅茶、冷めてしまいますよ?」
鶴の一声ならぬ、琥珀の一声。ようやく穏やかなティータイムが始まった。
もちろん二人の赤いお菓子は普通のものと取り替えられた。赤いそれが朱雀行きになるのはまた別の話である。
「それで、帰る方法は見つかったか?」
「全く。」
リリアの問にロザリアは降参だとばかりに両手を上げた。
「そうか…。琥珀、北の二人には三日後会わせる。会いたがっていただろう?」
「いいんですか?」
「よかったですね、マスター。」
「ウチも…」
「ロザリアはダメだ。」
「何で!?」
笑い
「貴方、よくあんな我が儘に付き合えるわね。尊敬するわ。」
「恐縮です。」
「誰が我が儘だ。」
戯れ
「リリア、この前借りた本だが…。」
「続きなら、後で運ばせる。」
「ありがとう。」
語り合い。
まるでその光景が当たり前のように続く中、リリアはひっそりと五人を見回し思わず苦笑した。話している間は異世界の人間だと言うことを忘れてしまいそうになる。
「リリアさん。」
「ん?」
「私達の世界に遊びに来た時は案内させてくださいね。」
「……。」
そんな心情を見通したかのような琥珀の言葉に、リリアは目を瞬いた。
「……。」
「ダメですか?」
「……まさか。」
緩やかな笑みを一つ。
「楽しみにしてるよ。」
訪れた安息
(……!)
(れ、レスカ!?)
(紅茶が……っ。)
(紅茶?)
(赤くないから辛くないとは言ってない。)
カラ様宅のリリアさん、ギルベルトさんとのコラボで、琥珀たちよろず屋一同が、カラ様の世界にトリップした・・・というシチュエーションです!!
CAST:リリアさん・ギルベルトさん(カラさま宅)・琥珀・アメリア・ロザリア・レスカ・咲夜
リリアが不思議な拾いものをしてから早一月。
不思議な拾いもの、基、異世界から来たと言う少女たちを連れて庭園に出たリリアは穏やかな時を過ごしていた。
「どうした、琥珀?食べないのか?」
運ばれた紅茶に甘いスイーツ、周囲は春を彩る花に囲まれ、リリアは緩やかに紅茶を口に運んだ。
皿に乗せられているのは軽やかなパイ生地に甘いクリームが挟まれたスイーツ、しかし何故か琥珀の目の前に置かれた皿に乗るそれは、異常に赤かった。
「あ、いえ、その……」
人がいい琥珀は自分のために用意されたそれに文句が言えず、困り果てるだけ。
その様子を眺めていたリリアは口端を上げた。
「ギルベルト。」
「……。」
「!」
穏やかな空気を斬り裂くように、傍らに控えていたギルベルトが静かに剣を抜いた。
二つ三つ、斬り結んで無言の攻防が続く。
「マスターへの嫌がらせはやめてください。」
「嫌がらせ?私が何かしたか?」
「え?あ、リリアさんは何も…」
デッキブラシと呼ばれる掃除用具を振り回すアメリアに肩を竦めてみせ、リリアは問い掛けるように琥珀に視線を移した。この一月でアメリアが琥珀に逆らわないことは把握済みだ。
挟まれた琥珀は益々困り果てた。
「今日も賑やかやなー。」
「またか?」
「おかえり、ロザリア、レスカ。朱雀の案内は退屈だっただろう?…ギルベルト、少し離れろ。音が五月蝿い。」
「…イエス・マイロード。」
溜息を一つ、ギルベルトはデッキブラシを薙ぎ払った。
光から戻って来た二人の分、そしてそろそろ来るであろう最後の客人の分の紅茶を運ばせた。
「あれ?ウチのお菓子、何か赤い?」
「気のせいじゃないか?」
「気のせいだろ。」
皿を見つめるロザリアに対し、レスカもリリアも涼しい顔で紅茶を啜る。
「…来た。」
リリアが僅かに眉を寄せた。
「ちょっと!今度は何をやったの!」
「咲夜…。」
溜息一つ。
ギルベルトに相手をさせようにも今は手が放せそうにない。
「私が何をしたって?」
「それを聞いてるのよ!」
「何のことだか…」
「いや、ウチと琥珀のお菓子だけ赤い…」
「ロザリア、赤い紅茶もあるが?」
「……。」
リリアは笑みを浮かべ、傍らのティーポットを持ち上げてみせた。
「目が笑ってないぞ。」
「それは失礼。」
レスカの指摘に肩を竦め、ポットを下ろす。
「貴女、琥珀が辛いものが苦手だって知ってるでしょう!?」
「もちろん。辛いものが苦手なことも、類稀な御人好しであることも、」
だからこそ、とリリアは悪びれもせず言い切った。それが尚更咲夜を刺激する。
「貴女って、本当に…っ。」
「…仕方ない。」
咲夜の鋭い視線に対してリリアは溜息混じりに立ち上がった。
面倒だと言いながら、その口元は弧を描いている。
「ストップ!!」
『!』
制止の声に全員がその動きを止めた。
集った視線の先で琥珀が笑みを浮かべている。
「紅茶、冷めてしまいますよ?」
鶴の一声ならぬ、琥珀の一声。ようやく穏やかなティータイムが始まった。
もちろん二人の赤いお菓子は普通のものと取り替えられた。赤いそれが朱雀行きになるのはまた別の話である。
「それで、帰る方法は見つかったか?」
「全く。」
リリアの問にロザリアは降参だとばかりに両手を上げた。
「そうか…。琥珀、北の二人には三日後会わせる。会いたがっていただろう?」
「いいんですか?」
「よかったですね、マスター。」
「ウチも…」
「ロザリアはダメだ。」
「何で!?」
笑い
「貴方、よくあんな我が儘に付き合えるわね。尊敬するわ。」
「恐縮です。」
「誰が我が儘だ。」
戯れ
「リリア、この前借りた本だが…。」
「続きなら、後で運ばせる。」
「ありがとう。」
語り合い。
まるでその光景が当たり前のように続く中、リリアはひっそりと五人を見回し思わず苦笑した。話している間は異世界の人間だと言うことを忘れてしまいそうになる。
「リリアさん。」
「ん?」
「私達の世界に遊びに来た時は案内させてくださいね。」
「……。」
そんな心情を見通したかのような琥珀の言葉に、リリアは目を瞬いた。
「……。」
「ダメですか?」
「……まさか。」
緩やかな笑みを一つ。
「楽しみにしてるよ。」
訪れた安息
(……!)
(れ、レスカ!?)
(紅茶が……っ。)
(紅茶?)
(赤くないから辛くないとは言ってない。)
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