よろず屋★DEVILからロザリアとキャロラインのお話。
夏といえば……がテーマのお話です。
ぐたぐだです。
「暑い!!」
今は夏真っ盛り。青く澄み切った空に入道雲、ギラギラと輝く太陽。長いツインテールを両手に持ち、ブンブンと振り回しながら、ロザリアが叫ぶ。
「お姉様、はしたなくてよ?後、髪を振り回すのやめてくださいまし。先程から当たって地味に痛いです」
そんな姉を日傘ごしに嗜めながら、ため息をつく少女、キャロライン。
「え~!別にええやん!!減るもんやなし。…にしても、ふてぶてしい天気やな…」
「夏ですもの。仕方がありませんわ。でも、日本の夏はとても暑く感じますわね。湿度のせいでしょうか」
今日から夏休みに入った。
よろず屋従業員であり、現役高校生のロザリアと、妹であるキャロラインは、商店街を歩いていた。
実は吸血鬼である二人、夏で無くとも太陽はあまり得意ではない。さすがに砂になってしまうということはないが、バテやすく回復にも時間がかかる。
そんな二人がリスクを背負ってまで、商店街に出た理由は、キャロラインの一言からだった。
「私、かき氷というものを食べて見たいですわ」
「かき氷…ですか?」
「ええ、一度見たことはあるのですけど、食べた事はなくて」
「うむ、確かに。日本の風物詩の代表格だからな」
「どこに行けば食べられますかしら?」
「夏祭りの屋台とかにはありますけど、まだ先ですし……水樹、知ってます?」
「ん~……あ!だったら、商店街の隅にある駄菓子屋は?あそこなら確か、夏の間かき氷売ってるよ!」
「まあ!是非行きたいですわ!」
「一人で…は無理だろう。私が付いて行ってやってもいいが、生憎姉さんに店の手伝いを頼まれていてな…」
「私も夏休みは、ボランティアで子供会の手伝いがあるんですよね……」
「あたしも、補習あるし…」
「大丈夫ですわ!当てはあります。皆様、ありがとうございました」
という訳で、姉であるロザリアがお供をする事になったのだ。
久々の姉妹水入らずはいいがこの炎天下。恨めしげに空を見上げ、軽く舌打ちすると、視線を前方に移す。すると…
「あ!あれやん!」
小さな木造のお店が見えた。外にはかき氷の看板もある。
「まあ、随分とさびれていますわね。大丈夫ですの?」
「駄菓子屋ゆうのはこんな感じなんや。さ、行くで!」
「ええ……」
ロザリアは心配そうなキャロラインの手を引き、店の中に入っていった。
「こんにちは~」
「こんにちは」
「はあい、いらっしゃい」
二人が店に入ると、腰の曲がった小柄なおばあさんがニコニコしながら出てきた。
「あら、外国のお客様だね。こんにちは」
「初めまして、キャロラインと申します」
「ロザリアや」
「おや、日本語上手だね。何が欲しいのかい?」
おばあさんは流暢に日本語を話す二人に驚きつつ、用件を聞いた。
「あ~、かき氷ほしいんやけど」
「かき氷ね。一つ百円だよ。かけるシロップはこの四種類から選んでね」
「シロップ…?」
おばあさんの言葉に、キャロラインが看板を見る。
「えーと、イチゴ、メロン、ブルーハワイ、カルピス………ブルーハワイとカルピスって何かしら」
「ブルーハワイっていうのは、オレンジの皮とアルコールで作ったリキュールにシロップと青い着色料を加えたものだよ」
「く、詳しいなおばちゃん……」
「凄いですわ」
かなりかみ砕いた説明ではあるが、分かりやすいおばあさんの説明を聞き、何にするか決まった。
「カルピスはあれやろ、水足して飲むやつ。ウチそれにしようかな」
「では、私はブルーハワイにしてみようかしら」
「はいよ。カルピスとブルーハワイだね。あ、そこのテーブルで待っとっておくれ」
おばあさんに促され、二人がテーブルに着くと、おばあさんがかき氷を作り始めた。
ガリガリと削られた氷が、白い器に粉雪のように積もっていく。キャロラインはその光景を何もいわず見つめている。
山盛りの白い雪山に、それぞれシロップが掛けられ、スプーンを添えお盆にのせ、おばあさんが運んで来る。
「はいよ、カルピスはツインテールのお嬢さんで、ブルーハワイはオカッパのお嬢さんね」
「おおきに~」
「ありがとうございますわ」
ロザリアが二百円を手渡すと、おばあさんはごゆっくりねと店の奥に下がって行った。
「さて、食べよか」
「ええ、いただきます」
しゃりしゃりと氷を崩し、シロップと共にすくいとると、ゆっくりと口に入れる。
「ん…冷たい……けど、美味しいですわ」
「ん~!!夏はやっぱりこれやな!!暑い思いして来た甲斐があったわ!!」
キャロラインは、幸せそうにかき氷を頬張るロザリアを微笑みながら見つめる。そして、
「お姉様」
「ん~?」
「ありがとうございます」
「んあ?あ、ああ、別にええねんて。ウチも食べたかったし!!」
改まってお礼を言われ、気恥ずかしそうに手を振るロザリアに、そうですかと自分も食べ進める。
そのあと、お互いにかき氷を食べ合い、琥珀達へのお土産にいくつか駄菓子を買い、帰途に着いた。
「ブルーハワイ、美味しかったですわ」
「カルピス旨かったな~」
「そうですわね」
「また行こうな!全種類制覇や!!」
「ええ、楽しみですわ」
《END》
今回はロザリアとキャロラインの夏休みのヒトコマということで、書いてみました。
相変わらずのぐたぐだな展開ですみません!
ブルーハワイの原料について調べてみたら、カクテルの名前だったんですねぇ!!初めて知りました!しかもオレンジの皮…。
でも、夏になって蝉の声が聞こえると、かき氷が食べたくなります。
因みに私は宇治金時の練乳掛けが好きです!!
夏といえば……がテーマのお話です。
ぐたぐだです。
「暑い!!」
今は夏真っ盛り。青く澄み切った空に入道雲、ギラギラと輝く太陽。長いツインテールを両手に持ち、ブンブンと振り回しながら、ロザリアが叫ぶ。
「お姉様、はしたなくてよ?後、髪を振り回すのやめてくださいまし。先程から当たって地味に痛いです」
そんな姉を日傘ごしに嗜めながら、ため息をつく少女、キャロライン。
「え~!別にええやん!!減るもんやなし。…にしても、ふてぶてしい天気やな…」
「夏ですもの。仕方がありませんわ。でも、日本の夏はとても暑く感じますわね。湿度のせいでしょうか」
今日から夏休みに入った。
よろず屋従業員であり、現役高校生のロザリアと、妹であるキャロラインは、商店街を歩いていた。
実は吸血鬼である二人、夏で無くとも太陽はあまり得意ではない。さすがに砂になってしまうということはないが、バテやすく回復にも時間がかかる。
そんな二人がリスクを背負ってまで、商店街に出た理由は、キャロラインの一言からだった。
「私、かき氷というものを食べて見たいですわ」
「かき氷…ですか?」
「ええ、一度見たことはあるのですけど、食べた事はなくて」
「うむ、確かに。日本の風物詩の代表格だからな」
「どこに行けば食べられますかしら?」
「夏祭りの屋台とかにはありますけど、まだ先ですし……水樹、知ってます?」
「ん~……あ!だったら、商店街の隅にある駄菓子屋は?あそこなら確か、夏の間かき氷売ってるよ!」
「まあ!是非行きたいですわ!」
「一人で…は無理だろう。私が付いて行ってやってもいいが、生憎姉さんに店の手伝いを頼まれていてな…」
「私も夏休みは、ボランティアで子供会の手伝いがあるんですよね……」
「あたしも、補習あるし…」
「大丈夫ですわ!当てはあります。皆様、ありがとうございました」
という訳で、姉であるロザリアがお供をする事になったのだ。
久々の姉妹水入らずはいいがこの炎天下。恨めしげに空を見上げ、軽く舌打ちすると、視線を前方に移す。すると…
「あ!あれやん!」
小さな木造のお店が見えた。外にはかき氷の看板もある。
「まあ、随分とさびれていますわね。大丈夫ですの?」
「駄菓子屋ゆうのはこんな感じなんや。さ、行くで!」
「ええ……」
ロザリアは心配そうなキャロラインの手を引き、店の中に入っていった。
「こんにちは~」
「こんにちは」
「はあい、いらっしゃい」
二人が店に入ると、腰の曲がった小柄なおばあさんがニコニコしながら出てきた。
「あら、外国のお客様だね。こんにちは」
「初めまして、キャロラインと申します」
「ロザリアや」
「おや、日本語上手だね。何が欲しいのかい?」
おばあさんは流暢に日本語を話す二人に驚きつつ、用件を聞いた。
「あ~、かき氷ほしいんやけど」
「かき氷ね。一つ百円だよ。かけるシロップはこの四種類から選んでね」
「シロップ…?」
おばあさんの言葉に、キャロラインが看板を見る。
「えーと、イチゴ、メロン、ブルーハワイ、カルピス………ブルーハワイとカルピスって何かしら」
「ブルーハワイっていうのは、オレンジの皮とアルコールで作ったリキュールにシロップと青い着色料を加えたものだよ」
「く、詳しいなおばちゃん……」
「凄いですわ」
かなりかみ砕いた説明ではあるが、分かりやすいおばあさんの説明を聞き、何にするか決まった。
「カルピスはあれやろ、水足して飲むやつ。ウチそれにしようかな」
「では、私はブルーハワイにしてみようかしら」
「はいよ。カルピスとブルーハワイだね。あ、そこのテーブルで待っとっておくれ」
おばあさんに促され、二人がテーブルに着くと、おばあさんがかき氷を作り始めた。
ガリガリと削られた氷が、白い器に粉雪のように積もっていく。キャロラインはその光景を何もいわず見つめている。
山盛りの白い雪山に、それぞれシロップが掛けられ、スプーンを添えお盆にのせ、おばあさんが運んで来る。
「はいよ、カルピスはツインテールのお嬢さんで、ブルーハワイはオカッパのお嬢さんね」
「おおきに~」
「ありがとうございますわ」
ロザリアが二百円を手渡すと、おばあさんはごゆっくりねと店の奥に下がって行った。
「さて、食べよか」
「ええ、いただきます」
しゃりしゃりと氷を崩し、シロップと共にすくいとると、ゆっくりと口に入れる。
「ん…冷たい……けど、美味しいですわ」
「ん~!!夏はやっぱりこれやな!!暑い思いして来た甲斐があったわ!!」
キャロラインは、幸せそうにかき氷を頬張るロザリアを微笑みながら見つめる。そして、
「お姉様」
「ん~?」
「ありがとうございます」
「んあ?あ、ああ、別にええねんて。ウチも食べたかったし!!」
改まってお礼を言われ、気恥ずかしそうに手を振るロザリアに、そうですかと自分も食べ進める。
そのあと、お互いにかき氷を食べ合い、琥珀達へのお土産にいくつか駄菓子を買い、帰途に着いた。
「ブルーハワイ、美味しかったですわ」
「カルピス旨かったな~」
「そうですわね」
「また行こうな!全種類制覇や!!」
「ええ、楽しみですわ」
《END》
今回はロザリアとキャロラインの夏休みのヒトコマということで、書いてみました。
相変わらずのぐたぐだな展開ですみません!
ブルーハワイの原料について調べてみたら、カクテルの名前だったんですねぇ!!初めて知りました!しかもオレンジの皮…。
でも、夏になって蝉の声が聞こえると、かき氷が食べたくなります。
因みに私は宇治金時の練乳掛けが好きです!!
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