きっと、逃れる事は出来ない…




 #名前#と青年が後ろを振り向くと、二人の女性が佇んでいた。一人は黒いロングコートを羽織り、奇抜な衣装を着た、金髪碧眼の美しい女性、片方は歳の頃はかぐやと同じくらいだろうか、オレンジ色の髪に青い眼、タンクトップに短パンを履いた少女。何よりも目を引くのは頭に刺さった(?)ボルトにツギハギだらけの体。しかし、あどけなさの残る、可愛らしい顔立ちをしていた。

「ミィ!!……とティナ……」

 最初は嬉しそうな笑顔を浮かべた青年……ブライアスだったが、次第に勢いが無くなり小さくなる。
そんな彼の様子を見て、
金髪の女性がクスリと笑う。

「あら、私はお邪魔かしら?ブライアス」
「へ?い、いやあの。そういう訳じゃ…」

 ごにょごにょとしどろもどろになるブライアスを、不思議そうに見つめるオレンジ髪の少女、その光景を唖然と見つめるかぐや。ふと、金髪の女性がかぐやに視線を向ける。

「貴女がかぐやね。私はティナ。そこで青くなったり赤くなったりしてる子はブライアス、そして、私の隣にいるボルトの刺さった子はミィよ」

 金髪の女性…ティナが、簡単に紹介をすると、隣にいたオレンジ髪の少女…ミィがぷぅと頬を膨らます。

「ちょっとティナ!!私のコレは刺さってるんじゃなくて飾りなの!!変な言い方しないでよ!」
「あらごめんなさい。悪気は無かったのよ(笑)」
「…もう。まあ、一通り紹介は終わったから……さて、本題に入りましょうか」

 そういうと、ミィはかぐやの前まで歩み寄る。思わず後ずさるかぐやに、傍らにいたブライアスが『大丈夫だよ』と肩を叩き笑いかける。一方のミィは困ったように眉尻を下げ笑う。

「そんなに怯えないでよ。なんか私が悪役みたいじゃない」
「え、あ、ごめんなさい」
「別に気にしてないわ。それより、私が貴女をここに呼んだ理由を話さないとね。聞いて貰える?」

 確かに、なぜ自分がこんな所にいるのか、ここは一体どこなのか…。知りたい事はたくさんある。でも、なぜか聞く事に躊躇している自分がいるのも確かで。

でも……



「わかりました。お願いします」


 意を決したかぐやは真っ直ぐにミィを見つめる。この状況を把握しない限り、解決策はない…そう思った。







真相を知る迷いに
立ち向かう覚悟を持って…




つづく………


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