6粒目
……動かなければ
何も始まらない……
Pure rain
柚希は登校すると、すぐに友人の元に向かった。その友人とは……
「おはよう!ユリア」
「あ、おはよ!柚!」
ユリア…金髪碧眼の少女で、明るく活発な性格。柚希とは正反対なのだが、趣味『料理』を通じて仲良くなり親友になった。ちなみに柚希はユリアの家庭事情を、そしてユリアも柚希の両親の事を知っている。
「あのね。相談したい事があるんだけど…」
「え?相談?何々?」
「あ、でももうすぐ授業だし、お昼ご飯の時でもいいかな」
「オッケー!じゃその時に!」
「うん!」
お昼休みに話すという約束をし二人は席に着く。
柚希はふと考える。雪菜は大丈夫なのだろうか……。イジメられていないだろうか……。自然と顔が曇る。そんな柚希の表情をこっそり伺っているユリアに柚希は気づかなかった。
―お昼休み―
二人は教室の一角にお弁当を広げ、話しを始めた。
「あのね昨日ね、他所の学校の女の子と知り合ったんだけど、なんだかイジメられてるみたいなの」
「イジメ?最低!!どこの学校?」
「う…ん、制服のエンブレムを見たら、『楓華学園』だった」
「え?楓華?……ん~」
柚希から雪菜の学校の名前を聞いたユリアは、腕を組み考え出す。そして身を乗り出し、小声で囁く。
「楓華って、進学校で有名だったんだけど、今は別の意味でも有名なんだよね」
「え?と、言うと?」
「……イジメ問題。かなりあるみたい」
「そうだったの!?全然知らなかった……」
「そりゃ、公にはだせないっしょ?入学者減っちゃうし」
「じゃあ…どうやって……?」
柚希が不思議そうに聞くと、ユリアは「あ~…」とか、「ん~…」と言った後、「企業秘密です」と言った。首を傾げる柚希に、ユリアは話し出した。
「なんでも、その学校にお金持ちのお嬢様がいるんだけど、スッゴく我が儘でね。自分の思い通りにならないと父親に言い付けて、『寄付を断ち切るぞ』って脅すらしいのよ。学校側も寄付を当てにしてるもんだから、断たれると困るじゃない?だから彼女が何をやっても黙認。誰も何も言わないの」
「え…それじゃ、まさか………雪菜をイジメてる人って……」
「……うん、間違いなくそのお嬢様だね。多分学校側も気付いてはいるんじゃない?かなり好き勝手してるみたいだしね」
「…………酷い」
柚希は眉間を寄せて俯く。どんな理由かは知らないが、あんなに優しくて大人しい雪菜を標的にするなんて。しかも、誰も見て見ぬフリをしている。こんな理不尽があるのだろうか……。
柚希の珍しく怒った顔を見て、ユリアは思った。話しから察するに、柚希は雪菜という子を助けてやりたいのだろう。しかし柚希は一般人。彼女一人ではどうにもならない。しかもそのお嬢様、『高嶺 愛莉』の父親はかなりヤバい事で儲けているらしいと琥珀から聞いた事がある。しかし……他ならない親友の悩みを解決してあげたい。ユリアの心は決まった。
「ね。私の知り合いにさ、その事を調べてる人達がいるんだけど……会ってみる?何かいい方法が見つかるかもよ!」
「え?……うん!その人達に会わせてほしい!」
「うん!じゃ放課後、連れて来るから」
「うん!!………え、連れて来る……って?」
「いいからいいから!」
「;;???」
笑ってサンドイッチを頬張るユリアを見て、一瞬不安がよぎるが、自分だけではどうしようもない。そしてエイナの言葉を思い出す。
「もう!周りを見てごらんよ!きっと助けてくれる人達がいるはずだよ!私だっているし。柚希は一人じゃないよ」
きっとこれが雪菜を救う第一歩になる。
柚希はさらなる決意を固めた。
Pure rain
私は一人じゃない…
君だって一人じゃないんだよ
だって
君を助けようとしてくれる人達が
ここにはいる………
貴女も私の大切な
~親友~
……動かなければ
何も始まらない……
Pure rain
柚希は登校すると、すぐに友人の元に向かった。その友人とは……
「おはよう!ユリア」
「あ、おはよ!柚!」
ユリア…金髪碧眼の少女で、明るく活発な性格。柚希とは正反対なのだが、趣味『料理』を通じて仲良くなり親友になった。ちなみに柚希はユリアの家庭事情を、そしてユリアも柚希の両親の事を知っている。
「あのね。相談したい事があるんだけど…」
「え?相談?何々?」
「あ、でももうすぐ授業だし、お昼ご飯の時でもいいかな」
「オッケー!じゃその時に!」
「うん!」
お昼休みに話すという約束をし二人は席に着く。
柚希はふと考える。雪菜は大丈夫なのだろうか……。イジメられていないだろうか……。自然と顔が曇る。そんな柚希の表情をこっそり伺っているユリアに柚希は気づかなかった。
―お昼休み―
二人は教室の一角にお弁当を広げ、話しを始めた。
「あのね昨日ね、他所の学校の女の子と知り合ったんだけど、なんだかイジメられてるみたいなの」
「イジメ?最低!!どこの学校?」
「う…ん、制服のエンブレムを見たら、『楓華学園』だった」
「え?楓華?……ん~」
柚希から雪菜の学校の名前を聞いたユリアは、腕を組み考え出す。そして身を乗り出し、小声で囁く。
「楓華って、進学校で有名だったんだけど、今は別の意味でも有名なんだよね」
「え?と、言うと?」
「……イジメ問題。かなりあるみたい」
「そうだったの!?全然知らなかった……」
「そりゃ、公にはだせないっしょ?入学者減っちゃうし」
「じゃあ…どうやって……?」
柚希が不思議そうに聞くと、ユリアは「あ~…」とか、「ん~…」と言った後、「企業秘密です」と言った。首を傾げる柚希に、ユリアは話し出した。
「なんでも、その学校にお金持ちのお嬢様がいるんだけど、スッゴく我が儘でね。自分の思い通りにならないと父親に言い付けて、『寄付を断ち切るぞ』って脅すらしいのよ。学校側も寄付を当てにしてるもんだから、断たれると困るじゃない?だから彼女が何をやっても黙認。誰も何も言わないの」
「え…それじゃ、まさか………雪菜をイジメてる人って……」
「……うん、間違いなくそのお嬢様だね。多分学校側も気付いてはいるんじゃない?かなり好き勝手してるみたいだしね」
「…………酷い」
柚希は眉間を寄せて俯く。どんな理由かは知らないが、あんなに優しくて大人しい雪菜を標的にするなんて。しかも、誰も見て見ぬフリをしている。こんな理不尽があるのだろうか……。
柚希の珍しく怒った顔を見て、ユリアは思った。話しから察するに、柚希は雪菜という子を助けてやりたいのだろう。しかし柚希は一般人。彼女一人ではどうにもならない。しかもそのお嬢様、『高嶺 愛莉』の父親はかなりヤバい事で儲けているらしいと琥珀から聞いた事がある。しかし……他ならない親友の悩みを解決してあげたい。ユリアの心は決まった。
「ね。私の知り合いにさ、その事を調べてる人達がいるんだけど……会ってみる?何かいい方法が見つかるかもよ!」
「え?……うん!その人達に会わせてほしい!」
「うん!じゃ放課後、連れて来るから」
「うん!!………え、連れて来る……って?」
「いいからいいから!」
「;;???」
笑ってサンドイッチを頬張るユリアを見て、一瞬不安がよぎるが、自分だけではどうしようもない。そしてエイナの言葉を思い出す。
「もう!周りを見てごらんよ!きっと助けてくれる人達がいるはずだよ!私だっているし。柚希は一人じゃないよ」
きっとこれが雪菜を救う第一歩になる。
柚希はさらなる決意を固めた。
Pure rain
私は一人じゃない…
君だって一人じゃないんだよ
だって
君を助けようとしてくれる人達が
ここにはいる………
貴女も私の大切な
~親友~
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