8粒目



暖かく頼もしい人達……


Pure rain




…放課後。ユリアは柚希の所に二人の人物を連れて来た。二人とも綺麗なブロンドの髪で、片方の背の高い男子(?)は後ろに緩く結び綺麗なスカイブルーの瞳、もう片方の女子は長いツインテールで煌めくエメラルドグリーンの瞳。どちらとも凄い美形だった。

「お前か。楓華学園の事を知りたいというのは」
「は、はい。え、と橘 柚希です」
「私はレスカ。こっちはロザリア」
「よろしくなあ(笑)」
「?えっと…レスカさんて……?」
「ああ、レスカは女の子だよ。学ラン着てるけど(笑)」
「そ、そうなんだ(道理で、男の子にしては綺麗すぎると思ったよ…;;)」
「?どうした?」
「い、いえ!何でもないです!ごめんなさい…;;」
「……そうか」
「ぷぷ……」
「ちょっ!ロザリア!」
「ぶははははっ!!あかん!あかんはこれ!あははははははは」
「………ロザリア、後でシメる……」
「あ、の;喧嘩は…(もしかして……わ、私のせい…;;?)」
「心配ないよ、柚。いつもの事だから(笑)」
「いつも!?」

という感じで、一通り挨拶も終わり、柚希は思いきって話しを切り出した。

「実は、楓華学園にお友達がいるんですが、なんだかイジメを受けているみたいなんです」
「ふーん。で?どうしたいん?」
「私、助けてあげたいんです。居場所を取り戻してあげたい」
「……言いたい事は分かった。だが、お前自信にもリスクがあるかもしれない。それでもか?」
「もし、なんとなく…とかゆうんやったら…悪い事は言わん、やめとき」
「柚、よく考えて」

確かに、雪菜に関わった事で件の女生徒が自分を標的に選ぶ事も無きにしもあらず。会って間もない雪菜をなんでそこまで…と、この三人は疑問に思っているのだろう。柚希は三人の顔を見る。

「理由は…正直ないの…」
「え?!ないって……ちょっと柚!!」

柚希の思いがけない言葉に、ユリアが驚きの声を上げる。レスカとロザリアも軽く目を見開く。柚希はそんな一同を見、俯く。

「確かに理由はない。でも、私……彼女の事、他人事に思えないから」
「どういう意味や?」
「あの子、ユリアに逢う前の私に似てるの。人の顔色ばかり伺って言いたい事も言えない。どんなに悲しい事や苦しい事があっても、打ち明けられる相手がいない……私、雪菜を救ってあげたいの。ユリアが私を救ってくれたように、ね」

柔らかく微笑む柚希に、横からぎゅっと抱きしめられた。驚いて顔を向けると、ユリアが抱き着いていた。その肩はかすかに震えていた。
それを見たレスカとロザリアは目を合わせ深く頷く。

「いいだろう。分かった。私たちが持っている情報をお前に教えよう」
「え?いいの?」
「そんだけ覚悟があれば十分やて!頑張ろな!」
「良かったね!柚!!」
「!!……うん!ありがとう!!私、頑張るから!!」



Pure rain



―もし羽ばたく事に疲れたら
私が君の止まり木に
なってあげるから……

これは私の―


~本当の気持ち~


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