Episode6~侵入~
Episode6[侵入]
街は寝静まり、漆黒の闇が空を包む・・・・。
今宵は新月。
キリーが最も好む夜だ。
あれから、マルロニに再び依頼し、場所に関する情報を手に入れた。
てっきりせびられるかと思ったが、マルロニは「前回のやつとしてカウントするからいい」
と情報料は取らなかった。キリーは、その時のマルロニに少し違和感を感じた。
いつもののらりくらりとした感じではなく、とんでもない何かを知ってしまった・・・・・・そんな顔をしていたのだ。キリーは気にはなったが、問い詰める気にもなれず、場所だけを聞きBARを出た。
そして・・・・・・・キリーはある場所に立っていた。
周りは壁に囲まれ、重たい鋼鉄の門に上や側面に張り巡らされた有刺鉄線。
ーサンテロット研究所ー・・・・・・・・・
キリーの顔が僅かに歪む。
「ついにたどり着いたわ・・・・・・・。ディブロード・・・・・・今こそ積年の償いをしてもらうわ・・・・」
ディブロード博士・・・・・・・キリーを兵器にしレミリアを死なせた、忌むべき敵。50年前のあの頃は、まだ二十代前半くらいだったので、今では70過ぎくらいだろう。どのみち、彼がいる限り『実験体狩り』は終わらない。
「さあ・・・・・・・どうしてあげようかしら。最も、許すという選択肢はないけどね」
・・・ついに・・・・・賽は投げられた・・・・・・。
*********************
「・・・・・・・変ね。警備が甘すぎる・・・・・・」
難なく研究所に入り込み、そして今、長い長い廊下を気配を探りながら歩いている。
案外すんなり入れたことに驚いたのと同時に、何か奇妙な・・・・・・・嫌な感じをキリーは感じていた。正直妨害されることを予想していたので、グローブに力を集中していたのだが、警備員どころか研究所の人間にもお目にかかっていない。
「・・・こんなにすんなり侵入を許すなんて・・・・・・・またハズレかしら・・・・」
もしかしたら、変に頭の切れる連中のこと、キリーが来ることを察知し逃げた可能性もある。
キリーは心の中で舌打ちをすると、周りを見回してみる。・・・・すると、
「あら?・・・・・・あの部屋は何かしら・・・・・・」
長い廊下の突き当たり・・・・・・・そこには、鉄製の扉が立ちはだかっていた。
「・・・ふーん。・・・・・なにかありそうね・・・・・・」
試しに押して見ると、やはり鍵がかかっているようだった。しかし、奇妙な事に鍵穴がどこにも見当たらないのだ。キリーはしばらく扉を調べてみる・・・・・と、
「・・・・・これは、もしかして・・・・・」
扉の脇にある、箱のようなもの・・・・・・・扉と同じく金属でできた箱の真ん中には、細い溝があった。キリーはコートのポケットから例のカードキーを出し、通してみた。
・・・・・・・ピピピ・・・・・・・ガチャン・・・・・・
機械音と同時に鍵が外れた音がした。キリーは感心したようにカードキーとセンサーを眺める。
「まさか今の技術がここまでとはね・・・・・・ま、ここが異例なんでしょうけど。・・・・・・取り敢えず道は開けたわね」
キリーは扉を開き中を覗く。
広がるのは闇・・・・・・しかし、鳥目であるキリーにはまるで明かりに照らされているように中の様子が見える。キリーは扉の隙間から体を滑り込ませる。
「・・・・・・・嫌な感じ・・・・・・」
しーんと静まり返る室内。コツコツとキリーの足音がやけに大きく響く。
キリーは一直線に部屋の奥にある機械の前に行く。そこには・・・・・・・・・・・・・・・・・
「!!!こいつは・・・・・あの時のチンピラ!」
そう・・・・・・最初のマルロニの情報で、マークし結局何も知らずにキリーに瀕死の重傷を負わされた男・・・・・・。このカードキーの持ち主だった。
・・・やはり、繋がっていたのだ。大方、この男はサンテロットに雇われ、何も教えられないままカードキーを持たされたたのだろう。つまり・・・・・・マルロニの情報はあながち間違っていなかったのだ。
「・・・・・・・・・まんまと騙されたわけね。舐めた真似を・・・・・・」
キリーが唇を噛み締めた・・・・・・その時、
・・・・・・・・・・・・ガシャアアアアアアアン・・・・
さっき入ってきた扉の前に鉄格子が降りてきた。そして、周りが明るくなる。
身構えるキリーの目の前には、
「やあ・・・・・・・一号、いや・・・・・反逆者キルエリッヒ。待っていたよ・・・・」
ディブロードが卑屈な笑みを浮かべ立っていた。
キリーは眉間に皺を寄せ、目を細める。
「・・・・・・・やっと見つけたわ・・・・・随分と舐めてくれたわね」
「ふふ・・・・・・君が右往左往している様は実に滑稽で楽しかったよ」
「!!!!!ふざけるな・・・」
拳を固く握り、地を蹴ろうとしたキリーにディブロードは口を歪め笑う。
「おっと、キリー自分の状態が理解できていないみたいだね。周りをよく見てごらん」
「!!!!!!!」
キリーが動きを止め周りを見回すと、どこからともなく拳銃やライフルを構えた集団が現れた。
「君が少しでも私に近づけば・・・・・・・君は蜂の巣だ。いくら不死身とはいえ、苦痛や痛みの感覚は残っているのだから・・な」
「く・・・・・・・相変わらず汚いわね・・・・・」
「ふん・・・・貴様のような小物に理解してもらおうとは思わんよ。さあ・・・・私の元に戻ってこいキルエリッヒ。お前は私の駒として兵器としての任を全うしていれば良いのだ」
「イヤよ。私は・・・・・・・私の人生は私のもの、誰にも渡さないわ」
「ふん・・・・生意気になったものだ。せっかく死の淵から助けてやったというのに、こうも無能とはな・・・・・・・・・お前の大切な人間が殺されてもいいのか?」
「!!!!!!」
「・・・・・・・・アンジェラ、マルロニ・・・・・・・スタンデッド・・・・・・さあ、どんな殺し方がいいかな?」
「やめて!!!!」
「そうさな・・・・・・・マルロニとスタンデッドは犯罪をでっち上げて、公開処刑。アンジェラはなかなかの美女だしな・・・・・・私の従順な玩具にしてや・・・・・」
「やめろ!!!!!」
キリーはついに耐え切れなくなり、表情を怒り一色に染め激昂する。その瞬間、周りを取り囲んでいる集団が、キリーに標準を合わせる。対するディブロードはやれやれと首を振り、キリーを嘲るように見据える。
「ふふ・・・・口だけで何も出来ない小物が。キルエリッヒ、もう一度チャンスをやろう・・・・・・私の元に来るのだ。そして私に従え!!」
「・・・・・・・・・そうすれば、三人に手は出さないわね・・・・・・?」
「ああ、約束しよう」
キリーはふとマルロニ達を思い浮かべた。
よくよく考えれば、マルロニもアンジェラも・・・スタンデッドも、自分と関わらなければ目を付けられることもなかった。いや・・・・・そもそも自分が脱出しなければ・・・・あの日無理にレミリアを芝居見物に誘わなければ、こんなことにはならなかった・・・・・・・・・。
ーすべて・・・・・自分のせいだ・・・・・ー
「キルエリッヒ・・・・・・さあ!!来い」
「(ごめんなさい・・・・・マルロニ、アンジェラ必ず帰るって約束したのに・・・・・。スタンデッド・・・・・・あなたを裏切る事になってしまってごめんなさい)・・・・・・わかっ・・・・!!?」
ドオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!
キリーがディブロードのもとに歩み寄ろうとした時、大きな爆発音と共に砂煙が舞う。
「くっ・・・・・・あと少しだという時に・・・・・何者だ!!」
ディブロードの怒声に答えたのは・・・・・・
「何者だあ?・・・・・・・・・一介の情報屋・・・改め、元マフィアのイケてる中年です」
「・・・・ほんとに図々しい奴だなあ、お前は。自分でイケてるって言うか?」
「うっせーな・・・・いいじゃねえか」
「・・・はあ・・・・あ、俺は現役で闇医者やってる・・ナウくてダンディな中年ですキリッ(`・ω・´)」
「オメエも人のこと言えねえじゃねえか・・・キリッ(`・ω・´)じゃねだろ!!」
コントを繰り広げているあいだに、次第に晴れていく煙の向こうに立っていたのは・・・・・・・・
「キリー、勝手に決めてんじゃねえよ!!守られるなんて性に合わんのよ。第一カッコつかねえじゃん」
「言ったろ・・・・・最後まで付き合ってやるって。・・・・・・・・・・・アンジェラを泣かす気か?」
「!!!・・・・・・・・・・・っ、馬鹿・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・他ならない、マルロニとスタンデッドだった。
******************
ふう・・・・・・・やっとこさ侵入できました。
なんだかジェットコースターな展開ですみません;;;
さて・・・・マルロニとスタンデッド・・・・・どうやってバトルに参加させようか。
では、次回は三人で大暴れ・・・・・の予定です。
では!
小話の答えですっ!
正解は………………………
スタンデッドでしたっ!!
彼はキリーを妹みたいに思っているので、恋愛には発展はしません。きっと……多分………うん[D:63916]
では、次回又は小話でお会いしましょう!
Episode6[侵入]
街は寝静まり、漆黒の闇が空を包む・・・・。
今宵は新月。
キリーが最も好む夜だ。
あれから、マルロニに再び依頼し、場所に関する情報を手に入れた。
てっきりせびられるかと思ったが、マルロニは「前回のやつとしてカウントするからいい」
と情報料は取らなかった。キリーは、その時のマルロニに少し違和感を感じた。
いつもののらりくらりとした感じではなく、とんでもない何かを知ってしまった・・・・・・そんな顔をしていたのだ。キリーは気にはなったが、問い詰める気にもなれず、場所だけを聞きBARを出た。
そして・・・・・・・キリーはある場所に立っていた。
周りは壁に囲まれ、重たい鋼鉄の門に上や側面に張り巡らされた有刺鉄線。
ーサンテロット研究所ー・・・・・・・・・
キリーの顔が僅かに歪む。
「ついにたどり着いたわ・・・・・・・。ディブロード・・・・・・今こそ積年の償いをしてもらうわ・・・・」
ディブロード博士・・・・・・・キリーを兵器にしレミリアを死なせた、忌むべき敵。50年前のあの頃は、まだ二十代前半くらいだったので、今では70過ぎくらいだろう。どのみち、彼がいる限り『実験体狩り』は終わらない。
「さあ・・・・・・・どうしてあげようかしら。最も、許すという選択肢はないけどね」
・・・ついに・・・・・賽は投げられた・・・・・・。
*********************
「・・・・・・・変ね。警備が甘すぎる・・・・・・」
難なく研究所に入り込み、そして今、長い長い廊下を気配を探りながら歩いている。
案外すんなり入れたことに驚いたのと同時に、何か奇妙な・・・・・・・嫌な感じをキリーは感じていた。正直妨害されることを予想していたので、グローブに力を集中していたのだが、警備員どころか研究所の人間にもお目にかかっていない。
「・・・こんなにすんなり侵入を許すなんて・・・・・・・またハズレかしら・・・・」
もしかしたら、変に頭の切れる連中のこと、キリーが来ることを察知し逃げた可能性もある。
キリーは心の中で舌打ちをすると、周りを見回してみる。・・・・すると、
「あら?・・・・・・あの部屋は何かしら・・・・・・」
長い廊下の突き当たり・・・・・・・そこには、鉄製の扉が立ちはだかっていた。
「・・・ふーん。・・・・・なにかありそうね・・・・・・」
試しに押して見ると、やはり鍵がかかっているようだった。しかし、奇妙な事に鍵穴がどこにも見当たらないのだ。キリーはしばらく扉を調べてみる・・・・・と、
「・・・・・これは、もしかして・・・・・」
扉の脇にある、箱のようなもの・・・・・・・扉と同じく金属でできた箱の真ん中には、細い溝があった。キリーはコートのポケットから例のカードキーを出し、通してみた。
・・・・・・・ピピピ・・・・・・・ガチャン・・・・・・
機械音と同時に鍵が外れた音がした。キリーは感心したようにカードキーとセンサーを眺める。
「まさか今の技術がここまでとはね・・・・・・ま、ここが異例なんでしょうけど。・・・・・・取り敢えず道は開けたわね」
キリーは扉を開き中を覗く。
広がるのは闇・・・・・・しかし、鳥目であるキリーにはまるで明かりに照らされているように中の様子が見える。キリーは扉の隙間から体を滑り込ませる。
「・・・・・・・嫌な感じ・・・・・・」
しーんと静まり返る室内。コツコツとキリーの足音がやけに大きく響く。
キリーは一直線に部屋の奥にある機械の前に行く。そこには・・・・・・・・・・・・・・・・・
「!!!こいつは・・・・・あの時のチンピラ!」
そう・・・・・・最初のマルロニの情報で、マークし結局何も知らずにキリーに瀕死の重傷を負わされた男・・・・・・。このカードキーの持ち主だった。
・・・やはり、繋がっていたのだ。大方、この男はサンテロットに雇われ、何も教えられないままカードキーを持たされたたのだろう。つまり・・・・・・マルロニの情報はあながち間違っていなかったのだ。
「・・・・・・・・・まんまと騙されたわけね。舐めた真似を・・・・・・」
キリーが唇を噛み締めた・・・・・・その時、
・・・・・・・・・・・・ガシャアアアアアアアン・・・・
さっき入ってきた扉の前に鉄格子が降りてきた。そして、周りが明るくなる。
身構えるキリーの目の前には、
「やあ・・・・・・・一号、いや・・・・・反逆者キルエリッヒ。待っていたよ・・・・」
ディブロードが卑屈な笑みを浮かべ立っていた。
キリーは眉間に皺を寄せ、目を細める。
「・・・・・・・やっと見つけたわ・・・・・随分と舐めてくれたわね」
「ふふ・・・・・・君が右往左往している様は実に滑稽で楽しかったよ」
「!!!!!ふざけるな・・・」
拳を固く握り、地を蹴ろうとしたキリーにディブロードは口を歪め笑う。
「おっと、キリー自分の状態が理解できていないみたいだね。周りをよく見てごらん」
「!!!!!!!」
キリーが動きを止め周りを見回すと、どこからともなく拳銃やライフルを構えた集団が現れた。
「君が少しでも私に近づけば・・・・・・・君は蜂の巣だ。いくら不死身とはいえ、苦痛や痛みの感覚は残っているのだから・・な」
「く・・・・・・・相変わらず汚いわね・・・・・」
「ふん・・・・貴様のような小物に理解してもらおうとは思わんよ。さあ・・・・私の元に戻ってこいキルエリッヒ。お前は私の駒として兵器としての任を全うしていれば良いのだ」
「イヤよ。私は・・・・・・・私の人生は私のもの、誰にも渡さないわ」
「ふん・・・・生意気になったものだ。せっかく死の淵から助けてやったというのに、こうも無能とはな・・・・・・・・・お前の大切な人間が殺されてもいいのか?」
「!!!!!!」
「・・・・・・・・アンジェラ、マルロニ・・・・・・・スタンデッド・・・・・・さあ、どんな殺し方がいいかな?」
「やめて!!!!」
「そうさな・・・・・・・マルロニとスタンデッドは犯罪をでっち上げて、公開処刑。アンジェラはなかなかの美女だしな・・・・・・私の従順な玩具にしてや・・・・・」
「やめろ!!!!!」
キリーはついに耐え切れなくなり、表情を怒り一色に染め激昂する。その瞬間、周りを取り囲んでいる集団が、キリーに標準を合わせる。対するディブロードはやれやれと首を振り、キリーを嘲るように見据える。
「ふふ・・・・口だけで何も出来ない小物が。キルエリッヒ、もう一度チャンスをやろう・・・・・・私の元に来るのだ。そして私に従え!!」
「・・・・・・・・・そうすれば、三人に手は出さないわね・・・・・・?」
「ああ、約束しよう」
キリーはふとマルロニ達を思い浮かべた。
よくよく考えれば、マルロニもアンジェラも・・・スタンデッドも、自分と関わらなければ目を付けられることもなかった。いや・・・・・そもそも自分が脱出しなければ・・・・あの日無理にレミリアを芝居見物に誘わなければ、こんなことにはならなかった・・・・・・・・・。
ーすべて・・・・・自分のせいだ・・・・・ー
「キルエリッヒ・・・・・・さあ!!来い」
「(ごめんなさい・・・・・マルロニ、アンジェラ必ず帰るって約束したのに・・・・・。スタンデッド・・・・・・あなたを裏切る事になってしまってごめんなさい)・・・・・・わかっ・・・・!!?」
ドオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!
キリーがディブロードのもとに歩み寄ろうとした時、大きな爆発音と共に砂煙が舞う。
「くっ・・・・・・あと少しだという時に・・・・・何者だ!!」
ディブロードの怒声に答えたのは・・・・・・
「何者だあ?・・・・・・・・・一介の情報屋・・・改め、元マフィアのイケてる中年です」
「・・・・ほんとに図々しい奴だなあ、お前は。自分でイケてるって言うか?」
「うっせーな・・・・いいじゃねえか」
「・・・はあ・・・・あ、俺は現役で闇医者やってる・・ナウくてダンディな中年ですキリッ(`・ω・´)」
「オメエも人のこと言えねえじゃねえか・・・キリッ(`・ω・´)じゃねだろ!!」
コントを繰り広げているあいだに、次第に晴れていく煙の向こうに立っていたのは・・・・・・・・
「キリー、勝手に決めてんじゃねえよ!!守られるなんて性に合わんのよ。第一カッコつかねえじゃん」
「言ったろ・・・・・最後まで付き合ってやるって。・・・・・・・・・・・アンジェラを泣かす気か?」
「!!!・・・・・・・・・・・っ、馬鹿・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・他ならない、マルロニとスタンデッドだった。
******************
ふう・・・・・・・やっとこさ侵入できました。
なんだかジェットコースターな展開ですみません;;;
さて・・・・マルロニとスタンデッド・・・・・どうやってバトルに参加させようか。
では、次回は三人で大暴れ・・・・・の予定です。
では!
小話の答えですっ!
正解は………………………
スタンデッドでしたっ!!
彼はキリーを妹みたいに思っているので、恋愛には発展はしません。きっと……多分………うん[D:63916]
では、次回又は小話でお会いしましょう!
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