Episode8~レミリア~
Episode8[レミリア]
信じたい……あなたが幸せであった事を……。
黒猫は願う………誰もが幸せとなる結末を………。
…形勢は逆転した。スタンデッドはマシンガンで、雑魚を全て撃ち落とし、マルロニはスタンデッドが撃ち漏らした敵を拳銃で仕留める。
普段マイペースでいい加減な二人も、やはり場数は踏んでいるため、かなりの腕だった。
一方、キリーは胸に受けた弾丸のダメージが大きく、動けずにいた。
(悔しい………目の前には敵がいるのに……)
兵器として改造されたキリーの治癒力は凄まじく、腕や肩に受けた傷はもう塞がっていた。しかし、命の源である心臓は回復までかなりの時間を要した。しかも、息苦しさとジンジンと焼けるような痛みは持続しており、意識がしっかりしている今のキリーにはかなり苦痛だった。
何よりも、マルロニ達を巻き込み、しかも自分は動けずに彼等に戦わせているという事が一番の苦痛だった。
(せめて……立ち上がる事が出来るなら………兵器のくせになんて脆いのだろう………マルロニ……スタンデッド……死なないで……)
キリーは動けない体を強引に動かそうとするが叶わず、二人に目を向けると、静かに目を閉じた。
**************
………リー、キリー!!
―誰?なんだか懐かしい…―
『キリー、目を開けて』
キリーは懐かしい声に導かれるように目を開けた。そして、その目の前には……………
「………レミリア………」
当の昔に死んでしまったはずのレミリアがいた。
『キリー、久しぶりね。変わってなくて安心したわ』
「私、は………レミリア」
『キリー、私、あなたを責めてもいないし恨んでもいないわ』
「でも、私が無理矢理芝居に誘ったせいで、レミリアが…」
キリーが俯きそう呟くと、レミリアは優しく微笑み、言った。
『私を元気づけようと誘ってくれたんでしょ?』
「………でも……」
『あの時、叶わない恋に敗れて傷心した私に……私が前から観たいと言ってたお芝居のチケットを苦労して探してくれじゃない。その気持ちだけでも嬉しかった…本当に』
「レミリア……私は…兵器になってしまったわ。これからどうしたら………。もう、歳を取ることも死ぬことも………叶わない。こんな体……いらない、やっぱりあの時死んでしまえば良かった。そしたら、マルロニ達を巻き込まずにすんだのに……」
優しく懐かしいレミリアの言葉に、キリーは初めて弱音を吐いた。するとレミリアは一瞬悲しそうな顔をしたあと、
…パシンッ………
キリーに平手を打った。
『キリー、そんな言葉言っちゃダメ。死ぬなんて言わないでっ……』
「レ、レミリア?」
『私はあなたが生きていてくれて嬉しいし…………それにね………!!キリー、二人が危ない!!戻って!!!』
「え?レミリア?レミリア!!!」
……レミリアが叫ぶと同時に、視界が真っ白になり…………
「ぐあっ!!」
「スタンデッド!!クソッ!!」
キリーは目を覚ました。そして、目に飛び込んだのは、体の至る所から出血し、座り込んでいるスタンデッドと、彼のマシンガンを取り、庇いつつも満身創痍のマルロニだった。
(マルロニ!!スタンデッド………助けなきゃ……二人を死なせなくない!!動いて!!私の体!!)
キリーは渾身の力で体を動かす。すると、さっきよりスムーズに動く四肢。心臓のダメージもいつの間にか回復していた。暖かい血液が全身に巡り、力を取り戻す。キリーは、再び剣に手を掛けた。
「ハハハハハハ!!いきがりおって所詮小物よ!やってしまえ!!」
ディプロードが高笑いを残し、部下達に囲われ部屋を出ていく。
「しまった!くそぉ!!マルロニ、俺の事はいい!!ディプロードを追え!」
「何言ってやがる!死ぬぞお前!!」
ディプロードの逃走に焦る二人。追いたくても銃弾の嵐は止まない。と、その時、黒い影が凄い速さで駆け抜け、
『ぎゃああああああああ!!!』
凄まじい悲鳴と共に、警備隊が次々と血を吹き出し倒れる。二人は驚き、そして笑みを漏らした。
「キリー、待ちくたびれたぜ…」
「相変わらずおっかねぇなあ。………おかえり、キリー」
キリーは一瞬振り返り、二人の無事を確認すると、再び警備隊に向き直る。銃撃はいつの間にか止んでいた。
「もう終わり?」
キリーが目を細め剣を構えると、身の危険を感じた警備隊は、クモの子を散らすかのように逃げて行った。
その様子を見ていたマルロニとスタンデッドは、やれやれと苦笑い。やはりキリーはこうでなくてはならないと改めて思った。
「済まねぇな、キリー」
「助かったぜ…」
「べ、別に……助けたくて助けた訳じゃないし……それよりディプロードを追いましょう。まだ遠くには行っていないはずよ」
「おう!!もう一踏ん張りすっか!スタンデッド!!」
「ああ………ディプロード、絶対に逃がさん!!」
三人は頷き合い、部屋を後にディプロードを追いかけた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
キリーが段々とデレ始めました(笑)
かなり時間が掛かった割にグダグダ…;もっと文章力がほしい……;
次回の展開はまだ思案中ですが、もうじき完結になりますっ!!
続編を書こうか…それとも新しいお話を書こうか迷っています。
では、また次回に!
Episode8[レミリア]
信じたい……あなたが幸せであった事を……。
黒猫は願う………誰もが幸せとなる結末を………。
…形勢は逆転した。スタンデッドはマシンガンで、雑魚を全て撃ち落とし、マルロニはスタンデッドが撃ち漏らした敵を拳銃で仕留める。
普段マイペースでいい加減な二人も、やはり場数は踏んでいるため、かなりの腕だった。
一方、キリーは胸に受けた弾丸のダメージが大きく、動けずにいた。
(悔しい………目の前には敵がいるのに……)
兵器として改造されたキリーの治癒力は凄まじく、腕や肩に受けた傷はもう塞がっていた。しかし、命の源である心臓は回復までかなりの時間を要した。しかも、息苦しさとジンジンと焼けるような痛みは持続しており、意識がしっかりしている今のキリーにはかなり苦痛だった。
何よりも、マルロニ達を巻き込み、しかも自分は動けずに彼等に戦わせているという事が一番の苦痛だった。
(せめて……立ち上がる事が出来るなら………兵器のくせになんて脆いのだろう………マルロニ……スタンデッド……死なないで……)
キリーは動けない体を強引に動かそうとするが叶わず、二人に目を向けると、静かに目を閉じた。
**************
………リー、キリー!!
―誰?なんだか懐かしい…―
『キリー、目を開けて』
キリーは懐かしい声に導かれるように目を開けた。そして、その目の前には……………
「………レミリア………」
当の昔に死んでしまったはずのレミリアがいた。
『キリー、久しぶりね。変わってなくて安心したわ』
「私、は………レミリア」
『キリー、私、あなたを責めてもいないし恨んでもいないわ』
「でも、私が無理矢理芝居に誘ったせいで、レミリアが…」
キリーが俯きそう呟くと、レミリアは優しく微笑み、言った。
『私を元気づけようと誘ってくれたんでしょ?』
「………でも……」
『あの時、叶わない恋に敗れて傷心した私に……私が前から観たいと言ってたお芝居のチケットを苦労して探してくれじゃない。その気持ちだけでも嬉しかった…本当に』
「レミリア……私は…兵器になってしまったわ。これからどうしたら………。もう、歳を取ることも死ぬことも………叶わない。こんな体……いらない、やっぱりあの時死んでしまえば良かった。そしたら、マルロニ達を巻き込まずにすんだのに……」
優しく懐かしいレミリアの言葉に、キリーは初めて弱音を吐いた。するとレミリアは一瞬悲しそうな顔をしたあと、
…パシンッ………
キリーに平手を打った。
『キリー、そんな言葉言っちゃダメ。死ぬなんて言わないでっ……』
「レ、レミリア?」
『私はあなたが生きていてくれて嬉しいし…………それにね………!!キリー、二人が危ない!!戻って!!!』
「え?レミリア?レミリア!!!」
……レミリアが叫ぶと同時に、視界が真っ白になり…………
「ぐあっ!!」
「スタンデッド!!クソッ!!」
キリーは目を覚ました。そして、目に飛び込んだのは、体の至る所から出血し、座り込んでいるスタンデッドと、彼のマシンガンを取り、庇いつつも満身創痍のマルロニだった。
(マルロニ!!スタンデッド………助けなきゃ……二人を死なせなくない!!動いて!!私の体!!)
キリーは渾身の力で体を動かす。すると、さっきよりスムーズに動く四肢。心臓のダメージもいつの間にか回復していた。暖かい血液が全身に巡り、力を取り戻す。キリーは、再び剣に手を掛けた。
「ハハハハハハ!!いきがりおって所詮小物よ!やってしまえ!!」
ディプロードが高笑いを残し、部下達に囲われ部屋を出ていく。
「しまった!くそぉ!!マルロニ、俺の事はいい!!ディプロードを追え!」
「何言ってやがる!死ぬぞお前!!」
ディプロードの逃走に焦る二人。追いたくても銃弾の嵐は止まない。と、その時、黒い影が凄い速さで駆け抜け、
『ぎゃああああああああ!!!』
凄まじい悲鳴と共に、警備隊が次々と血を吹き出し倒れる。二人は驚き、そして笑みを漏らした。
「キリー、待ちくたびれたぜ…」
「相変わらずおっかねぇなあ。………おかえり、キリー」
キリーは一瞬振り返り、二人の無事を確認すると、再び警備隊に向き直る。銃撃はいつの間にか止んでいた。
「もう終わり?」
キリーが目を細め剣を構えると、身の危険を感じた警備隊は、クモの子を散らすかのように逃げて行った。
その様子を見ていたマルロニとスタンデッドは、やれやれと苦笑い。やはりキリーはこうでなくてはならないと改めて思った。
「済まねぇな、キリー」
「助かったぜ…」
「べ、別に……助けたくて助けた訳じゃないし……それよりディプロードを追いましょう。まだ遠くには行っていないはずよ」
「おう!!もう一踏ん張りすっか!スタンデッド!!」
「ああ………ディプロード、絶対に逃がさん!!」
三人は頷き合い、部屋を後にディプロードを追いかけた。
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キリーが段々とデレ始めました(笑)
かなり時間が掛かった割にグダグダ…;もっと文章力がほしい……;
次回の展開はまだ思案中ですが、もうじき完結になりますっ!!
続編を書こうか…それとも新しいお話を書こうか迷っています。
では、また次回に!
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